
しかし、その流れが年明けから急激に変わった。1月29日のケルン戦に引き分けたところから、ここまで8試合連続で負けなしなのだ。引き分けの数が6試合とかなり多いが、それでも残留へ勝ち点1は大きなプラスだ。
チームを変えたのは、10月より指揮官に就任したトーマス・レイス。そしてセンターバックに入る吉田麻也だ。
レイスが就任してからも成績は変わらなかったが、今季は11月末よりFIFAワールドカップ・カタール大会があった。それによる中断期間を上手く活かせたのではないか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f6f481ff07491288eb874b2a304bc571b4c9062e
最終ラインに構える絶対的リーダーへ

「僕たちはチームとして良い守備からゲームを始めることにした。これが常に基本だ。無失点なら、1ゴールで勝てる。チームとして得点を奪いたいが、まず第一に相手にチャンスを与えぬようコンパクトにすることが重要なんだ。それが良い方法だと思う」
そして吉田だ。1月29日のケルン戦からは4試合連続スコアレスドローという珍しい記録も生まれたが、それに吉田が貢献してきたのは言うまでもない。
ブンデスリーガ挑戦は初めてだが、34歳の吉田は欧州での経験も豊富な選手だ。フランクフルトで活躍する長谷部誠に近い存在感があり、シャルケの最終ラインを束ねるリーダーとなっている。
GKミヒャエル・ランガーも吉田の貢献を絶賛しており、若手が見習うべき手本となっているのだ。
「マヤはピッチ上だけでなく、ピッチ外でも多くの経験をもたらしてくれたと思う。彼はあらゆる意味で非常にコミュニケーション能力が高い。フットボールがどうあるべきか常に明確な考えを持っている。彼は非常に勤勉だからね。チームの若い選手は彼を見習うべきで、彼は毎日完璧な模範なんだ。トレーニングでどう動くのか、姿勢、準備、アフターケアなどね。彼は完璧なプロフェッショナルなのさ」
ついにシャルケは最下位を抜け出し、現在は17位に位置している。まだ降格圏ではあるが、今の負けないフットボールを継続できれば降格圏脱出も可能だ。
果たして吉田はこのままチームを救えるのか。3月11日にはドルトムントとのダービーマッチでも2-2のドローで勝ち点1をもぎ取っており、これもモチベーションになっているはず。見事な粘りを見せるシャルケの戦いは要注目だ。
