サッカー日本代表・原口元気「俺は最後までもがきます」

原口元気

1

〝ロストフの悲劇〟として知られる’18年ロシアワールドカップのラウンド16。ベルギーとの激闘で口火を切ったのが、原口元気(31)だった。

自陣から約60mの距離を走ってスルーパスを受け、右足を振り抜くと、ボールは逆サイドネットに吸い込まれていった。日本が沸いた劇的な先制ゴールを覚えている人も少なくないだろう。

その後、乾貴士(34)のゴールでリードを2点に広げたものの、瞬く間に同点に追いつかれると、アディショナルタイムに逆転を許して、日本代表は力尽きた。

このとき、原口は27歳。ロシア大会を最後に代表から去る長谷部誠(38)や本田圭佑(36)に代わり、原口こそがワールドカップ後の代表チームの主軸となるものと思われた。

だが、それから4年が経つ間、原口がメインキャストを担えたわけではない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/52aa600adb75d634933d9f22a05bd6ae61259ba3

「最後までもがきますよ」と誓った原口元気

2

森保ジャパンでの38試合出場は、南野拓実(27)の41試合に次いで多い数字だが、途中出場も少なくない。’21年9月から’22年3月まで行われたカタールワールドカップ・アジア最終予選では守備力や献身性を買われ、ゲームを終わらせるために終盤で起用されたこともあった。

「代表では悔しい思いばかりしてきましたね。特に最終予選の大事な試合で出られなかったのは悔しかった。僕にとっては試合に出ることがすごく大きな部分を占めている。試合に出られないことに対して、ストレスや悔しさを感じるので」

とはいえ、プレーヤーとしてくすぶり続けてきたわけではない。それどころか、この4年の間に充実期を迎えている。

かつては日本を代表するサイドアタッカーだった。タッチライン際で対峙する相手DFにドリブルをガンガン仕掛けたものだが、今や戦術理解度の高いインサイドハーフに華麗な変貌を遂げている。

きっかけは’18年6月から3シーズン所属したハノーファー(ドイツ)でのトップ下へのコンバートだった。

「当時の監督に真ん中で起用されるようになって。最初は『自分はサイドの選手だからサイドでプレーさせてくれ』と言ったんです。でも、『君は真ん中のほうがいい』と。『サイドにいるだけではもったいない』って言われて。それなら本気でチャレンジしてみようかと」

指揮官のケナン・コジャックは、原口の全方位的な能力や運動量、推進力をサイドに閉じ込めておく手はないと判断したようだ。

コンバートに伴い、原口はスペイン人の分析官と契約する。スペースの見つけ方、サポートの角度とタイミングなど、インサイドでのプレーを一から勉強することにした。すると新たな世界が広がった。

「ブンデスリーガのサイドは本当に競争が激しいんですよ。年齢を重ねていくなかで限界も感じつつあった。だから、真ん中でプレーするのを機にもう一度、サッカーと向き合って、何かを変えないといけないなって。そうやって真剣に取り組んだら、真ん中の面白さを知って、新たなサッカーの楽しさも知った。今ではサイドに固執しないで、もっと早く転向していれば、もっと可能性が広がったなって思うくらいです」

21-22シーズンから所属するウニオン・ベルリンはブンデスリーガの中でも戦術的に優れたチームだ。相手チームを分析し、選手全員が攻守において決まり事に従って組織的にプレーする。昨季は5位に躍進したが、その中心にいたのが、インサイドハーフを担った原口だった。

「ウニオンではウルス・フィッシャー監督のもと、戦術的にどう戦えばチームが機能するのか、すごく学ばせてもらっている。監督も分析官も、いいタイミングでいい人と巡り会えて僕のサッカー人生はすごく変わった。サッカーが今、すごく楽しいんですよ」

ドイツでの戦いも9シーズン目に入った。ドイツへと渡る’14年から筑波大学の谷川聡准教授の指導を受け、肉体改造や走力アップに取り組んできた。ブンデスリーガで活躍するためだけでなく、ロシアワールドカップで活躍するための布石だった。

4年前のベルギー戦で、全力疾走したあとにフェイントを入れて逆サイドネットを揺らすコントロールショットを決めたのは、そうした取り組みの成果だった。

4年にわたって磨いているインサイドでのプレーについてはどうか。ドイツで生き残っていくためのものであり、カタールワールドカップからの逆算というわけではないのだろうか。

「いや、すべてが繋がっていると思っています。若い頃から体づくりを始めて、いろんな動きができるようになり、戦術的な能力も伸びてきて、今は真ん中でもプレーできるようになった。ロシアのときよりも選手として成熟したと感じているし、日本代表でも活かせると思っています」

だからこそ、もどかしくて仕方がないのだ、せっかく伸ばしてきた能力を日本代表で発揮し切れていないことが。

今年9月23日にドイツのデュッセルドルフで行われたアメリカ戦では、リードした終盤に5バックの右サイドとして投入された。それは、原口のユーティリティ性、守備力、安定感が評価されてのことだが、「出るならボランチかなと思っていたから、想定外だった」と本音を隠さなかった。

一方で、年長者としてチームを盛り上げ、支える役割も果たしているが、そうした立ち位置にも本人は納得していない。

「選手なんでね。僕はピッチの中で何ができるかだと思っている。ピッチの中でチームを助けたい。ピッチ外の姿勢を評価されても、少しも嬉しくないですね」

そう語り、やんちゃだった頃の鋭い眼光を見せた。

原口にとって2度目のワールドカップがいよいよ約1ヵ月後に迫ってきた。若い代表選手の中には「ワールドカップで活躍して、ステップアップのきっかけにしたい」と公言する者もいる。

初の大舞台に臨む若手の気持ちもよく分かる、と原口は言う。

「僕自身、前回大会のときは、ここで活躍したら自分のキャリアが開けるだろうな、と思っていた。でも、2度目となる今回は違う。初めて出場した前回、ベスト16で敗れて、そこを突破するのが使命というか。どうしても突破したい。それにピッチで貢献したい。その使命感だけですね」

9月のドイツ遠征中に原口は「最後までもがきますよ」と誓った。改めて本大会に向けた意気込みを語る。

「大会が始まってからでもポジションは奪えると思っている。出たときに何ができるかだと思うし、ワールドカップでは何が起きるかわからない。たとえ、初戦のドイツ戦でスタートから出られなかったとしても、僕は諦めない。途中から出て5分、10分で結果を出せば、それ以上のインパクトはないと思うし、そうすれば、もう一度ワールドカップでスタートから出られるかもしれない。すべては自分の準備次第だと思っています」

前回大会でレギュラーが定まったのは、開幕前最後のテストマッチだった。そして、総力戦でしかワールドカップを勝ち抜けないことも、この31歳のベテランは身をもって知っている。

インサイドでプレーする自身をイメージしながら、いつでも戦えるように、輝きを放てるように、原口はその牙を研ぎ澄ませている。

3

W杯カタール大会のメンバー発表は11月1日に迫る。

コメント

  1. 名無し より:

    CMFは遠藤・守田・鎌田・原口・田中である程度レベル落とさずにローテーション出来るな

  2. 名無し より:

    心配しなくとも選ばれるだろ
    森保じゃわからんか

  3. 名無し より:

    うまさとかはよく分からんけど原口好きなんだよなぁ。粘り強いところが頼りになりそう。

  4. 名無し より:

    原口はまず代表よりも、ウニオンでレギュラー取れる様に必死で頑張れよと。それが全てに於いて先でしょ。

  5. 名無し より:

    ポジションに固着すると視野狭まるのはわかる

  6. 名無し より:

    原口は流石に選ばれるでしょ。
    城は外れる予想してたけどw

  7. 名無し より:

    ポジション固着してもしょうがないよな
    そのポジションがあるかどうかは、チームによったり、世界的な情勢によったりするし、
    同じポジションでも全く違う動きしたりする
    (例えば、4231の3の真ん中なんてFW的に動くチームもあれば、CMFとして動くチームもある)

  8. 名無し より:

    プレーも変わったが、若手と積極的にコミュニーケーション取ってる姿が印象的だった。ブンデスで長くやれてる原口は対ドイツで大きな戦力になれるはず。

  9. 名無し より:

    原口は走れる選手、マークした相手が目の前でボールホルダーになっても棒立ちの選手とは違う。加えてポリバレント性もある。ガッツもある。精神論じゃなく気持ちある選手は大事

  10. 名無し より:

    試合に出れてないのが気がかりだが何だかんだ選ばれるだろう

  11. 名無し より:

    >>9
    精神論大事だよ
    結局最後は気持ち、昔バルセロナのコーチに指導してもらった事あるけど1番言ってたのが意外にも”日本の子はもっと気持ちを出せ”って事だった
    戦術とか技術じゃなくて

  12. 名無し より:

    原口に関しては、所属クラブでベンチが続いたとしても、あまり心配していない。
    こんなにメンタリティに信頼が置けるベテランに成熟するとは思ってなかった。
    長谷部とは言わないまでも相当に整っているだろ。
    自分の勝ち気な性格をうまく制御して時には自らを焚きつけて
    プロとして自律してるわ。

  13. 名無し より:

    >>11
    根性論と気持ちを出すことは全く別ものだが
    大丈夫かお前
    指導者にならないことを祈るわ…

  14. 名無し より:

    ウニオンの躍進を支えたまでは良かったけど、それに伴う補強の煽りをモロに食らっちまったんだよな

  15. 名無し より:

    少なくともこのブログに来る程度の奴が指導者になるなんてことは無いから杞憂というもの
    俺もお前も他の奴らもな

  16. 名無し より:

    >>13
    根性論の話なんて誰もしてないけど…

  17. 名無し より:

    昨季ウニオンでしっかりブンデスでやれ続けていたのにずっとあんな扱われ方だった時点で森保はもうほぼ使う気ないんだろうな
    そして今季は言うに及ばず…落選するかもしれん

  18. 名無し より:

    チームが苦しい時にCHに柴崎、田中碧を投入するかね?
    原口しかいないと思う。
    ロシアも五輪もベンチを信頼できなかったから力尽きた。スタメンでも控えでも信頼出来る選手が必要。

  19. 名無し より:

    >>13
    9だが11の言いたかったことはちゃうと思うで。つまりはドリブルを仕掛けて勝負にいく、シュートを打たないと得点は入らないって気持ちは大事で、プレーの上で瞬時にそれを判断選択しなきゃいけないという姿勢の事じゃないのかな。育成年代で海外だと勝負しないと怒られる、日本だと勝負してミスすると怒られるから抑制されるという事例があった。
    日本だと精神論=根性論みたいになりがちなんだよな。部活とかでスポーツやってると余計に悪しき習慣になってる。9で俺が言いたかったのもそれで、原口はチャレンジするじゃない?熱いけどクレバーな選手だと思うわ

  20. 名無し より:

    中盤もサイドも困ったら原口でいい。
    ベンチでも腐らないし良い選手だ。

  21. 名無し より:

    実力やユーティリティ性は誰もが認めるところだと思うけれど
    コンディションがわからないのが難しい

タイトルとURLをコピーしました