カタールW杯で“忘れられたGK”中村航輔28歳の告白…日本代表への消えない思い「あの日、ポルトガルで言われた“ジャパンはすごいな!”」

海外日本人選手

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カタールW杯で“忘れられたGK”中村航輔(28歳)は今――。

1年半のベンチ生活から、今季ポルトガル1部で正GKの座を勝ち取った中村航輔のインタビュー。2018年ロシアW杯で「次は期待している」と次世代を担う存在と思われた中村。結果的にカタールには行けなかったが、日本代表へどんな思いを持っているのだろうか?

https://news.yahoo.co.jp/articles/d5a0db72a5ca3b89784b42cda07189ffc6a006ef

「三笘選手のニュースを見て、すごいなと」

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―3月には2026年ワールドカップを目指す新生日本代表がスタートを切ります。日本代表への思いは今も持ち続けている?

中村航輔(以下、中村) もちろん持ち続けています。ただ、現状では日本代表を語れる立場にいません。それははっきり自分で思っていますし、そう言い切ってもいいのかなと思います。2021年から選ばれていないというのもありますし、いまは正直本当に分からない。もちろん代表でプレーしたいとは思いますし、その思いの強さをどうやって自分が表現していくかですね。クラブで続けていくだけです。

―カタールワールドカップは見ていましたか?

中村 もちろん見てましたし、日本代表は素晴らしかったと思います。僕は外の立場でしたが、あのときの日本代表が抱えていたものははかり知れないくらい大きかったと思う。監督、選手、スタッフ、協会関係者、サポーターが一体となって、すごかったですね本当に。ポルティモネンセのロッカールームでも言われましたよ。「ジャパンはすごいな!」と。日本人であることが誇らしかったです。

―大会後、三笘薫や久保建英のように、所属クラブでさらなる活躍をみせる選手も出てきています。

中村 三笘選手のブライトンでの連続ゴールのニュースを見て、すごいなと。左サイドから中に入って巻いて決めたシュートがありましたが、あれはGKから見たら止めにくい(※1月21日レスター戦)。あのボールに対しての抵抗の仕方はいくつかあって、それに対してどういう選択をするのか。実際、あの短時間で判断なんかできないので、いかに体をうまく動かすかです。他のGK(ウェールズ代表のウォード)が食らった失点ですけど、あのGKはいつかの僕であって、未来の僕でもある。そういう風に経験値をひろっていけたらいいですね。

―ワールドカップのドイツ戦では権田修一選手がマン・オブ・ザ・マッチに選出されるなど、GKの活躍も目立ちました。

中村 力を発揮しなければ勝てない相手を前にしてチームに貢献していましたし、権田さんが力を示した大会だったと思います。権田さんもGKらしいGKですし、やはりシュートを止める所にとても強い印象がありますね。

―ベスト16のクロアチア戦はPK戦での決着でした。

中村 かなり難しいシチュエーションで、結果的に相手のGK(リバコビッチ)が3本止めて上に上がったのを見ると、相手のGKから学ぶ、簡単ではないですけど自分たちの中で消化していく作業も必要だと思います。

―年齢的に見て、日本代表のGKは他のポジションの選手よりも世代交代が進んでいないとも言われます。

中村 そこは関係ないと思います。20歳の3人のグループでも、40歳の3人でもいい。そこは年齢ではなく、結果で決められると。

―現日本代表のGKでは川島とシュミットが欧州1部でプレーしており、以前よりその数は増えてはいるものの、相対的に見るとその数はまだ少ない。実際にやってみて、その難しさはどこにある?

中村 GKは難しいと思います。まず体格で劣ること。そして第一言語ではないこと(※ポルティモネンセ内の公用語はポルトガル語)。

―どのポジションよりも言語が必要とされる。

中村 言語は欠かせないです。指示だったり。留学していればよかったなとも思います。後悔している部分ですね。若いうちに言葉をやっておけば、と。日本にいるときも簡単な言葉を使うように心がけていたから、そんなに大きく離れているとは思いませんが、今も苦労はしています。最終ラインとの一体感を作る上でも必要ですし。あとは結果ですね。口だけよりも、結果。めちゃくちゃ話せても止められなかったら信頼は積み重ならない。信頼を積み重ねるのに手っ取り早いのは、ピッチで結果をだすことです。

―欧州で戦う上で、前提としてGKはハードルが違う。

中村 ただ、それを乗り越えたときには素晴らしいものがある。それは自分も身にしみて分かっているので、難しく大変ですけど、それもいいのかなと。自分自身、乗り越えた部分もあって、それは自信にはなっていますが、ただもうそんなことを言っている場合じゃない。過ぎたことですし、目の前の試合にむかっています。

―今後、欧州で日本人GKが活躍するためには何が必要だと思いますか?

中村 若いうち、育成の段階からこちらに来ることかなと。ベンフィカの(小久保玲央)ブライアンのケースが増えるのが一番いいと思います。簡単にできることではないですし、ブライアンがベンフィカに行ったときも僕はレイソルなので難しさは分かってますが。でもあの形が理想形かな。なんといってもベンフィカにいますから。今後、ブライアンがどう進むか分かりませんが、理想に近いのかなと。何年か後に分かることですが。彼は話すと面白いですよ。

―今後についてはどんなキャリアを描いていますか?

中村 もちろん、ポルトガルから欧州カップ戦に出るようなクラブに移籍した選手も見ていますから、そういう選手に続きたいという思いもあります。でも今はポルティモネンセにフォーカスしてやりたい。5年前の自分は、5年後にここにいるとはまったく想像できなかったですから。ロシアワールドカップに行ったときも、次のカタール大会もいけるのかなと思ったりした。でも、叶わなかった。いろんな場面に対応していくだけです。

―カタール大会に出られなかったことは、もう消化できている?

中村 そういう出来事だったのだなと。クラブで試合に出てなかったのが、大きな、当たり前の理由です。今は試合に出られていますが、これが簡単に続くなんて思っていません。ここからどういう出来事が起こるか分からないし、それが人生なのかなと。

―3年半後のワールドカップを目指す上で、これからの日本代表のGKに必要とされるものは何だと考えていますか?

中村 4年前にも、次は期待していると言われていたけどカタール大会には出ていませんし、誰にも未来なんて分からない。ただ、チャンピオンズリーグのような欧州の大きな大会に出るGKが出てくることが理想ですよね。僕だけじゃなく、いつか日本人GKがあの舞台に出ることができたら、それは快挙だと思います。

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中村航輔(なかむら・こうすけ)1995年2月27日、東京都生まれ。柏レイソルの下部組織で育ち、2013年にトップチーム昇格。アビスパ福岡への期限付き移籍を経て、16年からレイソルで正GKに定着。16年リオ五輪に出場。18年ロシアW杯代表に選出、本番での試合出場はなかった。21年1月ポルトガル・ポルティモネンセSCに完全移籍。今季9月4日のファマリカン(ホーム)戦でスタメン出場。そこからリーグ戦18試合連続スタメン出場(2月末現在)

コメント

  1. 名無し より:

    GKプロジェクト2050って語学もやってるのかね?

  2. 名無し より:

    Jリーグ時代かのルックスとの変貌に、改めてびっくりする。
    海外で生き残る為の決意でもあるんだろうな

  3. 名無し より:

    ジャパンより君の風貌の変化のほうが凄いよ

  4. 名無し より:

    >>2
    単に短髪ヒゲが基本だしそれに合わせてるんじゃない?あの南野でさえ髭生やしてたし

  5. 名無し より:

    内田がDFの風貌について語ってたけど厳つい見た目だと相手選手から舐められないけど審判からファールを取られやすい、逆に童顔だと相手からは舐められるけど審判から甘くジャッジしてもらえるとそれぞれの長所短所を言ってた
    GKは童顔でファールを取られないより厳つい見た目で相手を威嚇する方がメリットが大きいんだろう

  6. 名無し より:

    ナカムラ・ゴンサーロ・コウスケ

  7. 名無し より:

    >>5
    前田の風貌は、どの範疇に入るんやろうか?

  8. 名無し より:

    次は、権田が川島役になって、
    シュミットと中村が争う形かな?

  9. 名無し より:

    小久保ブライアンも22歳かぁ

  10. 名無し より:

    ロシア大会の川島が35歳
    カタール大会の権田が33歳
    次回のW杯 シュミットが34歳、中村が32歳なんで全員にチャンスある

  11. 名無し より:

    >>8
    もう権田はいいわ

  12. 名無し より:

    中村は確かJの試合で脳震盪やってしばらく代表から離れててそのままになっちまったような記憶だわ
    ポルトガルでレギュラー奪取してるし代表は不動のGKがいるわけじゃないからぜひ3月は呼んでみて欲しい

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