昨夏、サウジアラビアへ移籍したセルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチの後釜として、ラツィオにフリーで加入したMF鎌田大地。だが素早く適応に成功した新加入のMFマテオ・ゲンドゥージに右インサイドハーフのレギュラーの座を奪われ、左IHで不動のルイス・アルベルトの控えに回る形となった。
先月は背番号10番がケガで不在の中、マティアス・ベシーノにも序列を追い抜かれ、公式戦5試合連続で出番が与えられずに不遇の時を過ごしたが、10日のカリアリ戦では久々に途中出場を果たすと、ポスト直撃のシュートを放つなどして、わずか10分程度で評価を高めた。
終盤に途中出場した直近の公式戦2試合においては、大きな爪痕を残すことはできなかったが、ラツィオOBのブルーノ・ジョルダーノ氏は、鎌田の境遇を理解し、擁護した。地元ラジオ局『Radiosei』のラジオ番組に出演すると、日本時間23日のセリエA第21節トリノ戦(スーペルコッパ開催に伴い、同日に変更)での先発起用を求めている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1de04096487c9dd30215de143ac2a6d9a22861b6
ラツィオは財産を投げ捨てようとしている
次戦では、出場停止を消化したDFアレッシオ・ロマニョーリが復帰する見込みであるほか、DFエルセイド・ヒュサイの出場が濃厚とみられるが、ラツィオOBは、FWタティ・カステジャーノスと共に、鎌田の名前を挙げた。
「カマダが直近の2試合で爪痕を残せなかったというのは、その通りだ。だが残り15分で投入され、その1分後にチームが1-2となる失点をしてしまった。そこでボローニャにボール保持をされてしまえば、中盤でプレーする選手にとって問題になる」
「私は、ルイス・アルベルトに2試合ほど休養を与え、この青年をテストする時がやって来たと考える。(鎌田は)今後の戦いにおいても必要になるはずだ。リーグ戦やコッパ・イタリア、チャンピオンズリーグ(UCL)で多くの試合をこなさなければならない。彼は重要な武器になるはずなのに、15分間だけしかプレーさせないなんて、彼のためにならないだけでなく、結果としてチームのためにもならない」
ジョルダーノ氏は、10番を背負うルイス・アルベルトがここ数カ月にわたって結果を残していないにもかかわらず、先発起用されており、鎌田の処遇は不公平であると感じている。契約切れとなる今シーズン終了まで元フランクフルトMFをベンチに置き続ければ、宝の持ち腐れなると指摘した。
「彼は、残り10分で出場しても、試合を解決しようという決意をもって試合に入るタイプではない。試合開始から正しい姿勢で入るのにも苦労しているのにね。私は彼を試す時がやって来たと思っている。彼が自身のクオリティを発揮するチャンスを与える時がね。彼のメンタリティやパーソナリティについてはよく知らないが、これでは技術的な財産を投げ捨てようとしているようなものだ」
「カマダはボールを持った時、何をすべきかを理解していて、良いダイナミズムも見せているように思う。3カ月間にわたって、たいしたことをしていない選手にチャンスを与える一方、我々はカマダに15分間であらゆることを求めている。それは誠実な態度ではない」
ラツィオOBのジョルダーノ氏は、鎌田の先発起用を熱望しているが、現地メディアは、トリノ戦の先発メンバーをどのように予想しているのだろうか。
イタリア紙『Corriere dello Sport』は、中盤のアンカーにダニーロ・カタルディ、右IHにゲンドゥージ、左IHにルイス・アルベルトを現時点で予想。『La Gazzetta dello Sport』や『Sky Sport』も、直近の3試合と同じ中盤の顔ぶれを並べ、いずれも鎌田はベンチスタートとなる見立てだ。